2012年01月27日

携帯レンタル会社の責任

携帯電話レンタル会社が、貸した電話が振り込み詐欺に使用された場合で、
携帯電話貸付の際の身分確認不十分だった場合に、損害賠償責任が
認められました。


虚偽の説明で未公開株を高額で売りつけられたとして、神奈川県藤沢市の主婦(80)が、販売業者と、勧誘に使われた携帯電話を貸し出した東京都内のレンタル業者などを相手に、計330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(志田原信三裁判官)は25日、貸出時の本人確認が不十分だったレンタル業者にも責任があるとして、販売業者などとともに全額を支払うよう命じた。
 志田原裁判官は、レンタル業者には、利用者が提示した運転免許証などについて偽造の有無を慎重に調査すべき義務があると指摘。その上で、架空の住所が記載されていた点などから「簡単な調査で偽造と容易に判明した」と述べ、従業員の過失で販売業者の詐欺行為を助けたと判断した。
 原告側代理人の荒井哲朗弁護士によると、詐欺商法をめぐり、レンタル業者の責任が認められたのは初めてとみられる。(2012/01/25-22:51)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012012500954&m=rss


携帯電話不正利用防止法
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/050526_1.html
この法律の10条2項貸与業者の貸与時の本人確認義務違反や
その違反態様、
振り込み詐欺による被害額等を根拠に責任が認められています。

携帯電話レンタルは、詐欺師以外の一般人が利用するとは思えません。
そういう意味では、時代に合致した判決だと思います。

また、このような判決を出せるために、緻密な主張立証をした
原告代理人の努力に敬意を払いたいと思います。
posted by imotohashi at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資(消費者)被害

2012年01月26日

長期、多数回に渡る被害

暴行、窃盗、横領等、多くの犯罪では、
犯罪者は、多数回犯罪を繰り返します。

これらの犯罪に対し、刑事手続が取られることもありますが、
すべての犯罪に刑事手続が取られることはほとんど、ありません。

起訴されなかった犯罪(余罪)があることは、
刑を決める際に、ある程度は、考慮されます。
しかし、当然、余罪がすべて起訴された場合よりは、軽くなります。

刑事手続は、非常に厳格な立証を求められるため、
すべてを刑事起訴することは、無理なのでしょう。


窃盗、強姦等は、犯罪ごとに被害者が異なる場合が
多いと思います。

これに対し、暴行、横領等では、同じ被害者が同じ加害者から、
多数の犯罪被害を受けていることがあります。

同じ加害者から、多数の犯罪被害を受け、
相手方に資力がある場合には、
民事訴訟を提起することになります。

刑事に付随する損害賠償命令制度では、
起訴された犯罪についてだけ審理されるため、
余罪の損害賠償を求めるには、民事訴訟が必要です。

刑事で余罪全てが起訴されなかくとも、
民事で余罪による損害が認めれる可能性は、当然あります。

民事と刑事では、必要とされる立証の程度が異なり、
民事では証拠も制限されないからです。

横領では、被害者がいくら取られたかよく分からない、
という場合も良くあります。
一定の財産があり、今は無くなった。
使い道が判明している分は、いくらである。
取られたという他ない、部分はいくら、
というような主張立証では、足りないかもしれません。

長期に渡る暴行でも、いつ殴られたかを
主張することさえ困難な場合もあります。

被害内容さえはっきりしない犯罪被害は、
民事でも救済されにくいと思います。
タグ:暴行 窃盗 横領
posted by imotohashi at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪被害者支援

2012年01月25日

背任 横領

業務上横領、背任の被害を受けたから、告訴して欲しい。
業務上横領行為で告訴されそうだ。

という相談を時々受けます。


通常、答えは次のとおりです。

被害額はいくらですか。
居住地の警察で、被害の相談してください。

必要があれば、警察に同行しますし、
告訴状をまとめます。

警察は、話を聞いてくれると思います。
そして、直ぐに、相手を呼び出して、
事情聴取してくれることもときどきあります。

しかし、
背任や横領は、急いで捜査してくれません。
証拠をよくみないと分かりませんが、
直ぐに、告訴状が受理される可能性は、殆どありません。
数日で逮捕ということもまずありません。

民事の回収での圧力として刑事手続きを
使おうとすることは、警察は嫌がります。

告訴が受理されても、逮捕して起訴されるまでに、
背任、横領では、普通、年単位の時間がかかります。
しかも、その間に、返金されれば、まず、刑事の問題は生じません。

ただし、弁償できない金額が100万円を超えている場合、
刑事手続に進めば、実刑の可能性が出ます。


加害者からの相談の場合は、取り込みがあっても、
あわてるな、返金できれば打丈夫です
と言います。


ということで、背任、業務上横領の被害にあった場合、
警察に助けてもらうことは、なかなか困難です。

刑事手続は、すべて税金を財源とする手続きで、高価な社会的資源です。
殺人や交通死亡事故の捜査が優先されるのは、当然かも知れません。

背任や横領されないような体制を作ることが重要です。



なお、売却依頼として商品を渡したが、
代金が支払われなかった、
というだけでは、必ずしも横領とは言えません。

物を引渡したが、途中で、
何らかの事情で代金が支払われなくなったという場合、
例えば、車の売却を依頼して車を先に渡したが、
当中で盗まれて代金をもらえなくなったような場合
刑事での横領の被害、とは言えません。
もっとも、民事の損害賠償請求は、できるでしょう。


ところが、後見人が本人の財産を横領した場合で、
家庭裁判所が告発した場合は、必ず、厳重に捜査されます。
被後見人本人に、横領されることを防止する手段がないから、
重く取り扱われるのだと思います。
タグ:刑事事件
posted by imotohashi at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事事件・刑事弁護

2012年01月24日

原子力損害

東日本大震災による原発事故被災者支援弁護団
http://ghb-law.net/
の弁護団会議に参加しました。

基本的に、
原子力賠償紛争解決センターでの
1号、3,4号事案の解決で、
概ね報道されている内容です。

中間指針の慰謝料基準
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/1309452.htm
の10万円、12万円の原子力賠償紛争解決センターでは、
維持されているとのことでした。

多数の訴訟が、行われてないと、
正当な慰謝料は、支払われないのではないか、
と思いました。
posted by imotohashi at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の法律の話

2012年01月23日

離婚関係の相談

法律相談では、離婚関係の相談を多く受けます。

離婚の法律相談では、
相談者が、何を求めて、離婚の法律相談まで
いらっしゃったのか、よく聞いて、その上で、
法律家が何をお手伝いできるのか、を提案します。


離婚の法律相談でよく聞かれることは、
離婚に至る手続き、
事案に応じた、慰謝料、財産分与、養育費という
離婚給付の額、
親権
面接交流権
婚姻中に買った不動産の処理
等です。


離婚の相談の中心は、言うまでもなく、
離婚意思の確認です。
なぜ、離婚したいのか、
離婚すると、それまでの生活から失うものがありますが、
何を失うことまで許容するのか、
をよく聞きます。


失いたくないものの中に、
夫婦で購入した住宅がある場合、それをどのように
処分するかは、大きな問題です。

時価(今売ったらいくらになるか)、
ローン残高、
ローン債権者の態度、
ご相談者の収入、
ご相談者の資産
等によって、できることは変わります。

離婚自体の問題ではないのかもしれませんが、
オーバーローン(ローン残高が時価を上回る状態)
になっていると、不動産の処理が難しくなります。

オーバーローンの場合、
売却、夫婦のいずれかが取得すること、のどちらも
他の財源がないと困難です。


共通の家が後で処理のネックになってしまうことは、
なんとも言えず悲しいことです。

posted by imotohashi at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の法律の話

2012年01月20日

債権者の載せ忘れ

破産の際に、何かの理由で、
債権者名簿に債権者の記載を
忘れても、結論としては、重大な問題になることは稀です。

ただし、以上のように言えるからと言って、
債権者を除外することは、止めて下さい。

破産法253条1項6号には、次の債権は、免責の対象とならないと記載されています。
破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)


逆に言うと、間違って債権者名簿への記載を忘れた場合には、免責の対象となります。


また、仮に免責の対象とならなくても実際上、問題が生じることは稀です。

なぜなら、原則として、破産手続きにおいて、99万円の現金を除いて、
財産はなくてっているので、強制執行される可能性が低いからです。

また、債務名義を取られている場合は、債務者の方から、
請求異議で争う必要がありますが、
債務名義がない場合で、破産後に訴訟まで起こしてくることは、
実際には少ないからです。

しかし、債権者名簿への記載を忘れることは、
面倒な事になるので、
JICCやCICを調査して、
少なくとも貸金業者だけは、漏れがないように
するべきです。

JICC
http://www.jicc.co.jp/

CIC
http://www.cic.co.jp/

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2012年01月19日

知的障害者に対する性犯罪

知的障害のある女性に対する
強制わいせつを原因とする損害賠償事件の
原告代理人を務めた弁護士から、話を聞いて来ました。

結論としては、被害者一人あたり、300万円以上の
損害賠償が認められました。
一審判決で、現在控訴中だそうです。

知的障害がある人の場合、
時間や、場所等については、正確に記憶するわけではないの
ですが、全体としての真実性が認められたとのことでした。

診察した医師等の証言も得たそうです。

困難な裁判だと思いました。


参考

 知的障害者へのわいせつ行為、施設側に賠償命令
 東京都世田谷区の知的障害者施設で2006年、男性職員からわいせつ行為を受けたとして、当時10代 後半だった姉妹らが、施設を運営する社会福祉法人「東京都知的障害者育成会」と元職員の男性に計約 8300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。三村晶子裁判長は「被害を受けたとする姉妹の説明は信用できる」と述べ、同法人と男性に対し、計約660万円を姉妹に支払うよう命じた。

 判決によると、姉妹は06年10月、3泊4日の予定で同施設に短期入所した際、男性から下半身を触られるなどした。被告側は「姉妹の説明はあいまいで、作り話の可能性がある」と主張したが、三村裁判長は「姉妹の説明には不自然な点はあるが、核心的な部分は一貫しており、十分信用に値する」と結論付けた。
(2011年10月28日22時00分 読売新聞)    
タグ:犯罪 障害者
posted by imotohashi at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 高齢者障害者の権利

2012年01月18日

インプラント

本日のNHKのクローズアップ現代は、
インプラント事故の特集です。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/index.cgi


調査結果についてのニュースもあります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120118/t10015346991000.html
あごの骨に金属を埋め込んで人工の歯を取り付ける「インプラント治療」について、治療後に不具合を訴えて、歯学部のある大学病院などに診療に来た患者がこの2年半で全国で2700人以上に上っていることがNHKが行ったアンケート調査で分かりました。

インプラント治療は、「入れ歯などよりも強くかめて自分の歯に近い感覚を持てる」として普及が進んでいますが、歯科医師の技術が不十分なことなどから治療後、しびれや痛みが残ったり、炎症が起きたりするトラブルがあとを絶ちません。NHKは先月、全国の歯学部のある大学病院などにアンケート調査を行い、38施設のうち76%に当たる29施設から回答がありました。その結果、治療後に不具合を訴えて大学の医療機関を訪れた患者は、この2年半で2762人に上っていることが分かりました。このうち、神経を傷つけたなどの重症事例は合わせて406件に上り、年度別では昨年度が156件で前の年度137件より14パーセント増えました。トラブルの要因として医療機関側の課題は何か、複数回答で尋ねたところ、▽事前説明など患者とのコミュニケーション不足が97%と最も多く、▽歯科医師の技術・知識不足が86%、▽治療が難しい患者への無理な治療が76%となりました。この結果について、インプラント治療に関する国の研究班の班長で、広島大学歯学部の栗原英見教授は「正確な情報が患者に提供されていないことと事前の検査が十分行われていないことが問題だ。研究班として、より安全に治療を行うためのルールを作りたい」と話しています。


私は、NHKの貴社からも、取材を受けたこともありました。
また、今もインプイランの過誤に関する訴訟を行なっています。


インプラント治療に関するリスク情報の説明、
インプラントの治療のガイドライン作成、
等は、相当前から言わていることです。

本当に、このような方向に行くのか
私としては、疑問を持っている状況です。

posted by imotohashi at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療(歯科医療)の話

2012年01月17日

現地訪問

弁護士の仕事の多くは、事務所と裁判所です。
他には、法律相談所や、区役所の相談もあります。

ところが、訴訟で実態を主張できるようにするため、
現地を見に行くことや、事務所に来られない関係者に
会いに行くこともあります。

その中には、障害者とお会いすることもあります。


小一時間程度障害者とお会いしても、
生活の全般が分かるということはありえません。
しかしながら、障害者の生活や、その思いを
裁判で主張しなくてはならない場合には、
少しでも、障害者の生活がわからなくては
ならないと思い、生活の場に出かけるようにしています。

事件の背景事情を知ることも重要と思っています。
posted by imotohashi at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士の日常

2012年01月16日

遺言書を見つけたら

親族や知り合いが亡くなった際に、
遺言書を持っていた場合や、
遺言書を見つけた場合、まず、
遺言書検認を申し立てなくてはなりません(民法1004条)。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

遺贈のような遺言執行が必要な遺言書の場合で、
遺言書に遺言執行者の指定がないときは、
検認申立と同時に、
遺言執行者選任申立(民法1010条)も
行う必要がでます。
遺言執行者が必要となる場合としては、
遺贈のときが多いと思います。

なお、相続人の誰かに全財産を相続させる、
というような遺言は、遺言執行者は不要です。


これらの手続きの方法は、裁判所のホームページに様式が記載されています。
遺言書検認申立
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/syosiki/syosiki_01_17.html
遺言執行者選任申立
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/syosiki/syosiki_01_18.html


なお、昔、ある悪い弁護士さんが、
子供に財産を引き継がせようとする親に、
わざと、「遺贈する。」という遺言を書かせ、
その弁護士さんが、遺言執行者として、
指定されているのを見ました。

不動産の遺贈の登記の際に、
遺言執行者としてのはんこ代としての手数料を
せしめようとする、悪い弁護士さんでした。

相続させる、という遺言書の記載だったのなら、
遺言執行者は不要でした。
この弁護士さんは、小遣い稼ぎのために、
遺贈、遺言執行者の指定をしたのだと思います。

依頼者を食い物にすることは
避けたいと思いました。
posted by imotohashi at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の法律の話